医療法人にしだJクリニック

岸和田市|内科・ペインクリニック・リハビリテーション科・訪問診療・訪問看護・在宅ホスピス

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DIARY2

その37平成28年7月31日

62歳の定期健診で見つかった膵ぞうがん。早く見つかったのに、小さい時に見つかったのに、開腹してみると腹膜への転移があったため、がん病巣の切除には至らなかった。

彼女は快活で、魅力的な女性だった。細い身体で娘と双子の息子を産み育て、社長夫人として会社も切り盛りして来た。人生を楽しむ天才と自負していた。私に、人生の大切なこと、たくさん教えてくれた。

段々と弱っていく自分、すごく悔しかったと思う。思うように動かなくなった身体と未来が見えなくて気力を無くした心。ずっと自分を鼓舞しながら、よく私を褒めてくれた。褒めてもらって、くじけそうな私も仕事が続けられた。褒めることで、私を肯定することで、自分が成り代わりたかったんだと思う。

元気になって欲しくて、よく食事に、買い物に連れ出した。体力があるうちは、美味しいお料理が作れたからとお裾分けしてくれた。レースのひざ掛けを作ってくれた。食べられなくなっても中心静脈栄養をして、訪問入浴して、少しでも長く、「らしく」生きて欲しかった。

どんなに助けたくても、限りある命。どんなに別れたくなくても、定められた運命。彼女と共に生きた4年半。私にとってかけがえのない先輩だった。私だけ残ってまだ生きているけれど、彼女も私の中に生きているんだと思う。だから精一杯生きようと思う。