医療法人にしだJクリニック

岸和田市|内科・ペインクリニック・リハビリテーション科・訪問診療・訪問看護・在宅ホスピス

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DIARY2

その19平成26年9月29日

まだ現役、64歳。3月に受けた健康診断で肺に影があった。特に症状はなく、半信半疑で精査を進めていった結果、それはまさしく肺がんで、既に骨にも転移してしまっている事がわかった。約2ヶ月、抗がん剤治療を頑張ったが、副作用で中断せざる得なかった。何処も痛まなかった。でも、ぼんやりすることが多くなって、認知機能が低下してきて、がん性髄膜炎を起こしていた。もう一度、種類を変えて抗がん剤を試された。著効もしなかったが、副作用も少なかった。可能な限り続けることとなった。

髄膜や脳に病変が及んでいると、人格に影響が出る。時々飛んでしまって無くなる意識、座っていてもふらついて後方へ倒れる、千鳥足のような歩行、視野が狭まり無いものが見える視覚障害…。快活で明るかった彼らしさが、少なくなっていった。

オムツを使うだけで妻は悲しみ、使わずに失敗してしまうと妻は疲弊した。娘さんの手助けもあったが、仲が良かったご夫婦だけに、夫の身の周りのことはほとんど全て妻がこなした。病状に一喜一憂する毎日だった。病気がちだったという妻は、気丈に夫を支え続けた。

呼吸が止まる前日まで、呼びかけに眼を開け、身体を起こして飲水できた。最期まで生きる姿勢はとても立派だった。でも、よほど悔しかったのだろう。妻は「死んだら、死んでしまったら、どんな死に方しても一緒や。」と、泣きじゃくったままだった。