医療法人にしだJクリニック

岸和田市|内科・ペインクリニック・リハビリテーション科・訪問診療・訪問看護・在宅ホスピス

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DIARY2

その17平成26年7月13日

息子様と二人暮らし。54歳と77歳の男二人暮らし。殺風景な部屋。片付け切れていない部屋。その真ん中に、薄いお布団が引かれ、彼は横たわっていた。入院中はせん妄を起こしてしまうのに、ご自宅では大人しくしていられる。やっぱり住み慣れたおうちがいいのかな。

訪問すると、いつも徐に起き上がり、畳に擦りつけるくらいに頭を下げ「ありがとうございます」と仰る。さささと座れるスペースを作って、ご自身も正座で対峙する。胃癌末期で、結腸や腹膜に転移していて、お腹はカチコチ。人工肛門を作ってもらっていた。

我慢強い方で、少しくらいの痛みは我慢してしまう。病状が把握しにくい事が心配。やたらと暴れたりするため、鎮静薬も使っても変わらない。実は痛みのせいで苦しかったらしく、医療用麻薬を使い始めた途端、そういうのがなくなった。

介護保険で使えるサービスも、より快適な自宅療養をと考える私達はいろいろ勧めてみたが、どれも拒否された。起坐位をとれるよう介護ベッドを入れても、その下で寝ているし。訪問入浴も、周りに人が居るせいで、ゆったりと湯船につかっていられないし。

彼らしく、思うように過ごせるのが自宅療養のいいところ。結局薄いお布団の上で、周りにいっぱいものがある部屋の真ん中で、息子さんに見守られて、満足げに息を引き取った。