医療法人にしだJクリニック

岸和田市|内科・ペインクリニック・リハビリテーション科・訪問診療・訪問看護・在宅ホスピス

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DIARY2

その44平成29年2月18日

ずっと信頼して通院していた病院の先生から、今後は違う先生に診てもらって、と言われるのは、捨てられたような気がするらしい。初めての訪問診察時「病院に治せんかったもんが、おまえらに治せるか」と、いきなり叱られた。たじろぎはしたものの、「症状のコントロールするのは私の方が上手なんだから!」と啖呵切った。だから、大事な患者様を私に託してくれたのだと。

81歳の彼は、見た目にも厳つくて強面だったけど、実は人情に厚い優しい人だった。肺がんだったから、呼吸苦や血痰に苦しんだ。奥様と二人暮らしで、迷惑はかけたくないというお気持ちも強くて、身の回りのことすら自分で出来なくなったことで、気落ちし苛ついていた。

まず薬から整えていった。酸素手配、吸引器手配、頻回の緊急コールに応え、根気よく病状と今後の変化を説明した。気がついたら、少し身体が楽になっていたらしく、信頼してくれるようになった。

一時期良くなっても、病魔は日々進行していく。「前の先生は判ってて、先生に任せたんやなぁ。」息が苦しくなって、夜中に呼んでくれた彼が、苦笑いしながらつぶやいた。にやっと笑って、安心した表情を見せてくれた。それだけで、医者冥利に尽きると思った。