医療法人にしだJクリニック

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DIARY

愛しのおじい平成23年4月22日

itoshinoojii

仕事が大好きな人だった。少しでも体調が良いと、自分の作業場に入り仕事に熱中した。「大したお金にもならないのに無理して…。」と、娘さんはいつも苦笑していた。約1年前に肝硬変、肝癌と診断されてからも、元気に過ごして来れた。つい1週間前、入浴中に意識低下し救急搬送されて、病状が進んでいることが明らかになった。家で過ごすのであっても、医療的管理が必要なのではと言われ、紹介されてきた。

86歳。認知症も少しあって、難聴で、症状を自ら訴えることはない。検査しなければ“異常がある”なんて思いもしない。でも肝機能はかなり低下しており、血は止まりにくくて血便や血尿があった。よく観察すると、倦怠感や癌性の腹部痛もあるようだった。時々唸り声を上げるけれど、病状は把握しきれなかった。

何しろ、彼はお孫さんたちに愛されていた。バイトで遅く帰った高校生たちが、彼のベッドの横で猫みたいに丸まって寝ていた。さりげなく交代で、おかげで彼は全くひとりぼっちになることはなかった。

穏やかに呼吸が止まった朝も、寝ぼけまなこのまま孫たちは傍らにいた。「おじい、しっかり息して…」。泣きながら励ましていた。日常のワンシーンの中で、一つの命が終わるのを見届けていた。