医療法人葵会にしだJクリニック

岸和田市|内科・ペインクリニック・リハビリテーション科・訪問診療・訪問看護・在宅ホスピス

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DIARY2

その4平成25年4月28日

彼女は、人なつっこい、かわいい人でした。一つ年下だけなのに、とても甘え上手でした。初めは腰痛と右上肢痛を訴えて受診されました。何処の整形外科に行っても痛みが取れないからと、ペインクリニックに来たそうです。腰部硬膜外ブロックを3回、星状神経節ブロックを1-2週に1回で施行していたら、痛みがなくなりました。でも、また痛くなるのをとても怖がっていました。2週毎に私に会いに来るみたいに通院してくれていました。

やがて更年期を迎え、血圧が上昇したり不眠になったりしました。体重の増減、風邪ひきを繰り返して、4年半が経過しました。2ヶ月に1回の通院になっていた頃、バイク事故で肋骨骨折をし、その時のCT検査で、肺癌が見つかったのです。

まだ若いのだから、治ることを信じて闘病しました。放射線療法も、苦しい抗がん剤治療も受けました。しかし、突然首から下が動かなくなりました。肺の症状は何もないのに、頚椎に転移したのでした。

子供達は、4人とも既に結婚していて孫もたくさんいました。家族に囲まれて、自宅での療養を彼女は希望しました。四肢が麻痺していたので、生活のあらゆる事に介助が必要でした。車椅子に座っているのもしんどい時もあったのに、彼女はいつも笑顔で前向きでした。死ぬのが怖いと、素直に口に出せる人でした。一緒に何回も泣きました。手を握りあってハグしあって、私も一生懸命励ましたけれど、彼女も精一杯頑張ったけれど、たった3ヶ月でお別れが来ました。