医療法人にしだJクリニック

岸和田市|内科・ペインクリニック・リハビリテーション科・訪問診療・訪問看護・在宅ホスピス

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DIARY2

その53令和元年8月4日

88才の彼女の、「咳が出るんです」という訴えで胸部X-Pを撮った。右下肺野に怪しい腫瘤影がある。「この影、肺がんの可能性もあってね」と説明すると、「この歳で見つかっても治療したくないし、しばらく放っておいて」と。しばらくして、右股関節が痛いと言う。腰部硬膜外ブロックをしても、すぐ痛みが出てくる。あって思い出して、骨への転移を疑う。悪い予感は的中した。

「積極的な治療はしないで欲しい」姿勢は一貫していた。でも、毎日こうも痛いと辛い。放射線治療を受け、緩和に成功した。痛みがなくなると元気。車椅子を自分で操作し動き回れる。食欲がある内は活気もあって、あれこれ食べたくて元気。が、がんが進行するにつれ、彼女の体力は奪われていった。食べられなくなって、疲れやすくなった。在宅ホスピスとして、漢方治療や点滴静注を連日施行し、日常生活を援助し、保清に努め、懸命に介護してくれるお嫁様とともに「生きることについて」悩んだ。

死にゆく人が「私、幸せ」と口にする。その言葉に、私たちはこの仕事を誇りに思い、救われる。